相続登記の義務化、期限と罰則をわかりやすく解説
公開日:2026年8月7日 最終更新日:2026年9月5日

父の不動産の名義が、実は祖父のままだったことが最近分かったんです。相続登記っていつまでにやればいいものなんでしょうか?

実はそういうケースは少なくありません。2024年から相続登記が義務化されていて、期限内に手続きをしないと過料の対象になることもあります。今日は、相続登記義務化の基本と、注意すべきポイントを一緒に整理していきましょう
「親の不動産を相続したけど、名義変更はまだしていない」——こうしたケースは決して珍しくありませんでした。しかし2024年4月から相続登記が義務化され、これまで「いつかやればいい」で済んでいた手続きが、期限内に行わないと過料の対象になる可能性があります。この記事では、不動産業界で20年以上営業をしてきた現役スタッフの立場から、相続登記義務化の基本と注意点を、実際によくいただく相談をもとに解説します。
相続登記の義務化とは何か?
相続登記(不動産の名義変更)は2024年4月1日から法律上の義務になりました。これまで放置されがちだった所有者不明土地の問題を解消するための法改正です。
結論としては、不動産の名義変更(相続登記)が、2024年4月1日から法律上の義務になったことです。相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった際に、相続人へ名義を変更する手続きのことです。これまでは義務ではなかったため、名義変更をしないまま放置される不動産が全国的に増え、所有者不明土地の問題につながっていました。この問題を解消するため、法律が改正されました。
いつまでに手続きが必要?
2024年4月1日以降に発生した相続は、不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記が必要です。それ以前に発生した過去の相続も対象となり、2027年3月31日までの猶予期間内に手続きする必要があります。
新たに発生した相続の場合、いつまで?
結論としては、不動産を取得したことを知った日から3年以内です。2024年4月1日以降に発生した相続については、この期限内に相続登記を申請する義務があります。
過去の相続も対象になる?
結論としては、なります。重要なポイントとして、この義務化は2024年4月1日より前に発生した相続にも適用されます。「何年も前に相続した実家名義がそのまま」というケースも対象です。ただし、過去分については猶予期間が設けられており、2027年3月31日までに手続きを行えばよいとされています。心当たりのある方は、この期限を意識しておく必要があります。
期限を過ぎるとどうなる?
正当な理由なく期限内に相続登記を申請しなかった場合、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。刑事罰ではなく行政上のペナルティですが、注意が必要です。
結論としては、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。正当な理由なく期限内に相続登記を申請しなかった場合に科されるもので、刑事罰ではなく行政上のペナルティですが、「知らなかった」では済まされない制度になっている点には注意が必要です。
2026年4月からの新しいルールとは?
2026年4月1日からは、結婚や引っ越しによる氏名・住所の変更登記も義務化されます。変更を知った日から2年以内に申請が必要で、怠ると5万円以下の過料の対象になります。
結論としては、住所や氏名の変更登記も義務化されています。2026年4月1日からは、結婚などで氏名が変わった場合や、引っ越しで住所が変わった場合、変更があったことを知った日から2年以内に登記を申請する必要があり、正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象になります。相続登記だけでなく、こうした変更登記の義務化も始まっていることは、あわせて知っておきたいポイントです。
相続登記が複雑になりやすいのはどんなケース?
相続人が複数いて共有名義になるケースは、放置すると権利関係がさらに複雑化しやすくなります。遺産分割協議がまとまらない場合は「相続人申告登記」という簡易的な制度で、ひとまず義務を果たす方法もあります。
相続人が複数いる共有名義のケースは?
結論としては、権利関係が複雑化しやすく注意が必要です。相続人が複数いる場合、不動産は法定相続分に応じて共有名義になるのが原則です。共有名義のまま放置すると、将来的に相続人がさらに増えて権利関係が複雑化し、手続きがますます難しくなる可能性があります。共有名義や訳あり不動産に関する注意点は、訳あり不動産の売却方法についての記事でも詳しく解説しています。
遺産分割協議がまとまらない場合はどうする?
結論としては、「相続人申告登記」という簡易的な制度を使う方法があります。相続人同士で不動産の分け方について合意ができていない場合、相続登記の手続きも進められません。このような場合は、この制度を使って、ひとまず義務を果たすという方法もあります。
何から始めればいい?
司法書士などの専門家に相談し、早めに着手することが大切です。必要書類の収集や登記申請には専門的な作業が伴い、想定以上に時間がかかることもあるため、心当たりがあれば早めに現状を確認しましょう。
結論としては、司法書士などの専門家に相談し、早めに着手することです。相続登記の手続きは、必要書類の収集や登記申請など専門的な作業が伴います。特に相続人が複数いたり、名義が何代も前のままになっていたりする場合は、専門家に相談することをおすすめします。「まだ期限まで時間がある」と後回しにしていると、必要書類の収集に想定以上の時間がかかることもあるため、心当たりのある不動産をお持ちの方は、早めに現状を確認しておきましょう。相続した不動産が空き家になっている場合は、空き家を放置するリスクについての記事もあわせてご確認ください。
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よくある質問
Q. 何十年も前に相続した実家の名義が、祖父のままになっています。今からでも対象になりますか?
対象になります。この義務化は2024年4月1日より前に発生した相続にも適用され、2027年3月31日までの猶予期間内に手続きを行う必要があります。心当たりのある方は、早めに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
Q. 相続登記の手続きには、どのくらい時間がかかりますか?
相続人の人数や必要書類の収集状況によって大きく変わります。相続人が複数いたり、名義が何代も前のままになっていたりする場合は、想定以上に時間がかかることがあるため、早めに着手することをおすすめします。
Q. 遺産分割協議がまとまらず、相続登記ができません。どうすればいいですか?
「相続人申告登記」という簡易的な制度を使うことで、ひとまず義務を果たすことができます。ただし、これは名義を確定させる手続きではないため、並行して遺産分割協議を進めることをおすすめします。
Q. 相続した不動産をそのまま持ち続けるべきか、売却すべきか迷っています。
使う予定がない不動産を放置すると、固定資産税や管理の負担が続くだけでなく、将来的な活用や売却の選択肢が狭まることもあります。まずは相続登記を済ませたうえで、顔の見える専門家に直接相談したい方は、不動産売却の窓口でも相続不動産に関する相談を受け付けています。
Q. 相続登記を自分で行うことはできますか?
自分で行うこと自体は可能ですが、必要書類の収集や登記申請の手続きは専門的で手間がかかります。特に相続人が複数いる場合や、名義が古いままの場合は、司法書士に依頼した方がスムーズに進むケースが多いです。
まとめ
相続登記の義務化により、これまで放置されがちだった名義変更が、期限内に対応すべき法律上の義務になりました。過去の相続分にも猶予期限(2027年3月31日)が設けられているため、該当する可能性がある方は早めの確認をおすすめします。手続きが複雑に感じる場合は、専門家への相談も検討してみてください。
相続した家が空き家で、解体も視野に入れている方は、建物解体費用の相場についての記事もあわせてご覧ください。

